令和6年6月14日~15日にかけて、能登半島地震の被災地域である「石川県輪島市」にて救援活動を実施いたしました。活動は、石川県災害対策ボランティア本部様を通じて、輪島市災害VCにて実施しました。活動メンバーは、20代~50代までの男女7名で、東京からワゴン車(社福:葛飾福祉館車両)で金沢駅まで行き、金沢駅から輪島市災害VCまでは、県のボラバス(大型バス)に乗車して現地入りしました。輪島市の当日の天気は快晴、屋外での作業は強い日差しと暑さとの戦い、屋内作業もエアコンが効かない高温下での作業となり、非常に厳しい環境での活動でしたが、チームメンバーで協力しあい、無事に活動を終えることができました。鉄筋の入ったブロック塀の解体では、必要に応じてボルトクリッパーや電動カッター等を活用することで、安全かつ効率的に作業を行いました。
支援で入らせていただいたお宅では「今まで手をつけられなかったが、今回綺麗になって本当によかった」、「自宅での生活を正直諦めようと思っていたが、今回ご支援いただきここまで綺麗にしていただけたことで、もう一度頑張ろうという気持ちになれました」など感謝の声をたくさんいただきました。また「屋根が損壊し、冷たい雨がうちつけ、思い出のつまった大切な家財道具・ご自宅がどんどん朽ち果てていく日々に、言葉もでません」と話されていた方もおり、まだまだ継続的な支援が必要であることも実感致しました。輪島市は、元旦の発災当日から時間が止まってしまったような状況の場所が数多くあり、復興への道のりはまだまだ険しいことと思いますが、活動にご参加いただいている皆さま、活動を様々な面でバックアップして下さっている、多くの皆さまに感謝しつつ、一人でも多くの被災者の方が、生活再建への見通しが立てられるよう、今後も活動を継続して参ります。
【救援活動の内容】
◆<瓦礫撤去>地震により被害を受けた駐車場のレンガをハンマーで砕いて撤去・清掃(2時間)
◆<瓦礫撤去>地震で倒壊したブロック塀をハンマーで砕いた上で撤去(1.5時間)
◆<瓦礫撤去>小屋が倒壊して道をふさいでいた場所の復旧活動。2チーム合同で木材・瓦・土などを撤去(1.5時間)
◆<瓦礫撤去>地震で破損したタンスや鏡台等の災害ごみの運び出し・仕分け・片付け(2時間)
◆<瓦礫撤去>地震で倒壊した石垣の解体及び撤去(1.5時間×2か所)
◆<産業支援>被災した「輪島塗の箸工房」で散乱した箸の整理・事業再開の支援(2時間)
◆<産業支援>被災した「輪島塗工房」で倒壊・散乱した輪島塗の漆器類の仕分け・整理・再開準備(1.5時間)
左上から、田村彰弘様・中路広輝様・渡部・宮園、左下から中路吏輝様・前原志摩様・古南直樹様でした。暑い中、遠方での活動、本当にどうもありがとうございました。
【輪島市の状況】
◆【水道】:750戸ほどの家庭で断水が継続(6/1時点)(>_<)→市内26か所に給水所を開設して対応。高齢者は、水のタンクも大きいものは持てないため、小さいタンクで天気が悪くても毎日給水所に取りに行く必要がある人もいるとのことで、非常に厳しい状況が続いていました。
◆【入浴状況】:断水により入浴できない家庭がまだまだ多数あるため、市内3か所に仮設の入浴拠点を設置、巡回バスを臨時運行するなどして対応中とのこと。車を運転できない高齢者などは、この暑さでは、着替えをもってお風呂にいって帰るだけでも汗だくになってしまい大変とのことでした。
◆【仮設住宅】:仮設住宅が完成し、順次入居を開始しており、自宅が被害を受けて、農業用ハウスで生活をしていた方も、仮設住宅に入居できたとのこと。しかし、高齢者の食事を支えていた、輪島市内の食事配達業者5か所のうち、4か所が被災により事業を再開できていない状況にあり、仮設住宅などに生活拠点を移した際に、高齢者などの生活を支えるサービスの再開が喫緊の課題になっているとのことでした。実際に輪島市では、仮設住宅で高齢者の孤独死も発生しており、各種団体が見守り支援などをしているものの、夏季を前に早期対応が必要な状況とのことでした。
◆【輪島塗】:輪島塗の職人や工房・漆器店が数多く被災。若手職人たちが、能登半島地震からのまちの復興のあり方や「輪島塗の将来」について考える有志の会を立ち上げ、6月11日、輪島市で初会合の実施にこぎつけた。会合には、市内の輪島塗職人や漆器店の経営者、輪島市役所の職員も参加したそうです!輪島塗については、全国的に物産展などを開催するなどしており、今後徐々に復旧していく見通しです!!今回の救援活動では、輪島塗の工房への支援にも入らせていただきましたが、地震で室内がぐちゃぐちゃになっており、足の踏み場がない状態でした。夏には、関西の大手デパートが、無料で輪島塗をPR・販売するブースを設定してくれる予定とのことで、全国からの支援で明るい兆しもあり、頑張っていこうと思っているとのことでした。
◆【輪島朝市】:大規模な火災により約5万平方メートルが焼失し16名の方が犠牲になった「輪島朝市通り」でも、6月から建物の公費解体が本格的に開始していました。しかし、写真にもある通り、実際にはまだまだ震災当時の状況のまま手つかずの場所も多い状況でした。
◆【商店・産業】:奥能登4市町(輪島市、 珠洲すず 市、能登町、穴水町)では、100を超える事業所が既に廃業を決めたそうです。背景には、被災した店舗などの復旧の見通しが立たないことで、人口減が進行し、地域の先行きへの不安があることも起因しているとのことでした。
以上です。現地ではまだまだ多くの人が、必要な支援を受けられずにいる状況であるため、当法人としては、被災された方々を決して孤独の中に取り残すことのないよう、可能な限り活動を継続してゆけたらと思っております。いつもご支援ありがとうございます。そして変わらぬご支援を何卒よろしくお願い致します。
Comments