大阪北部地震の震源域である高槻市・茨木市・大阪市淀川区に足を運び、現地調査を行いました。
【ヒアリングでの状況】
高槻市社会福祉協議会や高槻市役所などにおいて、被害状況のヒヤリングをさせていただきました。
6/27現在で 避難場所高槻市9か所 茨木市32ヵ所となっています。
ライフラインの状況は、ガスは完全復旧 水道は、市内の一部で断水地域が残っているものの、急ピッチで復旧作業を進めており、徐々に解消していく見通しとのことでした。
現地社会福祉協議会で高齢者・児童・障がい者などの各社会福祉施設等の状況をヒヤリングしたところ、市内では一部断水により入浴サービスが実施できていない施設があるものの、限定的かつ物流が機能しているので、今のところ外部からの緊急的な支援を要するような状況には陥っていないとのことでした。
高槻市役所では、建物の応急診断の写真判定が行われており開庁より多くの住民が訪れていました。今後は被害を受けた建物において、雨による屋根からの浸水が懸念されるそうですが、ブルーシートなども現時点では不足しているという情報は入っていないとのことです。ただし、建物の補修作業など、建築土木系職人の一時的な不足や、工事が遅れるなどの課題が予測されるとのことでした。
その他、高槻市役所・JR高槻駅・阪急高槻市駅周辺では、建物等の損壊は目視することはありませんでした。一方、阪急茨木駅-南茨木駅間では、ブルーシートで応急した建物が数多くありました。
【大阪市内の福祉施設訪問】
大阪市北部に位置する淀川区の高齢者を対象としたデイサービス“生活屋”さんに訪問し発生当時のことをお聞きしました。
おおきな揺れで利用者が生活する活動室等でも棚からモノが落ち、食器等が破損したこと。当日の利用状況は、キャンセルがあったものの営業したとのことでした。
当日は電話は不通、ライン等のSNSは利用可能とのことでした。
その後、デイサービス利用者さんと触れ合い短いながら一緒の時間を過ごしました。
【その他】
大阪市内で、地域住民の方からもお話しをお聞きし、普段使用しているライングループなど、SNSを通じて給水場所や入浴施設の状況、物資の提供、更には浸水場所などの被害状況についてもいち早く情報を共有でき、判断や行動する際にも役立ったとのことでした。
【振り返って】
大阪北部地震による被害は、地域が限定的ではあったものの、水道管の破裂による断水、電話など通信機器の課題など、都市部における大規模災害発生時の課題を改めて感じました。幸いにして、本件地震においては、これまでの震災等の教訓が活かされ、交通機関やライフラインも比較的早期に復旧したことで、社会生活への影響は最小限に留められたのではないかと考えます。
各種社会福祉施設においても、東日本大震災発生以降、特に特別養護老人ホームをはじめとする入所施設や、保育所等において災害時の事業継続計画(BCP)の整備が進められていたこともあり、過去の震災の教訓が活かされ、減災に向けた基盤の整備が社会全体に浸透しつつあるように感じております。
今回の視察を踏まえ、大阪地域につきましては、現時点では緊急的な支援の必要性は低く、直接的な支援は当面実施しない方向ではありますが、刻々と変化する状況に応じて、対応できる体制を整えて参ります。
今後ともご支援をよろしくお願いいたします。
福島和彦