8/1~8/24までの夏休み期間を通じた、被災地域の学童保育クラブへの保育士派遣事業。嘉島町の学童保育クラブ「おおくすクラブ」への保育士有資格者の派遣活動を行いました。今回は阪神淡路大震災や東日本大震災で復旧復興支援活動に従事した経験があり、東京都葛飾区のこひつじ保育園で園長を務める渡部和史氏を派遣させていただきました。渡部氏は保育現場での経験が非常に豊富であるほか、葛飾区の本田第二分団の消防団員としても班長を務め、消防団の大会でも表彰を受けるなど、日頃から地域防災に大きく貢献している人物です。
【4日間の活動を終えて :こひつじ保育園 園長 渡部 和史】
8月22日から24日の3日間、嘉島町の学童保育クラブ「おおくすクラブ」にて保育現場の支援活動に関わらせていただきました。おおくすクラブには、8月1日~19日まで田村保育士が既に支援で入っており、その後継として入らせていただきました。これまで阪神淡路大震災や東日本大震災では復旧復興支援活動に従事した経験があるものの、熊本での活動は初めてであるため、幾分か緊張感を抱きながら「おおくすクラブ」へと向かいました。挨拶を済ませると田村保育士からも情報が入っていたようで、何人かの子どもが早速声を掛けてくれ、自然と子ども達の中に溶け込んで行けたように思います。子ども達は皆明るく元気で素直な子ども達でした。そんな子ども達の笑顔からは震災があったとは思えないような感じさえありました。しかし時間が経過するにつれ、子ども達から当時の話を聞くうちに、この笑顔の裏には想像もつかない恐怖と不安、混沌の中で、幾日も過ごしてきたのだと感じることになりました。
A子「地震があった時いつも妹が座っている場所に棚が倒れてきて、丁度座っていなかったから良かったけど、もし座っていたら死んでいたかもしれない」
B子「余震が続いて危ないから車で寝たりしたよ」など当時を振り返り怖かったと話しておりました。そんな子ども達の思いを支えてきたのはこのNPO子どもサポートみんなのおうち「おおくすクラブ」の献身的な取組と子ども達に対する思いの強さからに他ならないと思います。田村保育士の活動報告にもあるように、スタッフの方々自身も被災され経済的・精神的な不安を抱えるなかで、保育を継続するにはかなりの負担感があったと思います。そのような事からも人的支援によって、スタッフの負担軽減も重要な支援活動であると感じました。
お別れの際良いか悪いかは解りませんが子ども達に電話番号を聞かれメモに書き記しました。実際に掛かってくる事はないと思いますが、受け取った子ども達は「これで寂しくなったらいつでも電話できる!」と言った言葉が耳から離れません。実際に経験した恐怖や不安はいったいいつまで続くのかと心が痛みました。そんな子ども達の心の支えとなれるよう今後も自身に出来る事を微力ではありますが継続していきたいです。