【日本財団助成事業】
今回の活動は、日本財団の「平成28年熊本地震災害に関わる支援活動助成」の助成を受けて実施させていただくことになりました。震度7が2回発生し、甚大な被害が出た益城町では、今なお大きな余震が続いており、援護を要する方だけでなく、若い方でも夜怖くて寝付けなかったり、何もないのに船酔いしているような感覚になったりすることがあるような状況でした。企画の実施にあたっては、くららのスタッフの皆さまが準備等で全面的にご協力くださいました。また、フラワーアレンジメントでは、現地の社会資源を活用するため、益城町にあるお花屋「あすなろ社」様にご協力いただくことができました。今回の活動でご協力いただいた皆様、義援金等でご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。
●参加メンバー :福祉系の有資格者5名
・福島和彦氏 (健康運動指導士・介護支援専門員・社会福祉士・介護福祉士)
・高荷一良氏 (認知症管理者・認知症対応デイサービス管理者)
・会田浩司氏 (介護職員・ヘルパー2級)
・丸田浩子氏 (介護職員・介護福祉士)
・宮園崇弘 (社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員)
●協力者
1)現地協力者 一般社団法人ウェルビー・あすなろ社
2)活動協力者 株式会社かえら・有限会社TKYクリエイティブサービス
●実施場所 :一般社団法人ウェルビー デイサービスくらら (熊本県益城町)
●目的 :健康支援・余震ストレス軽減
●活動内容 :健康体操・認知症講和・フラワーアレンジメント
●対象者 :益城町在住の被災した高齢者・在宅高齢者20名
●成果 :
1)健康体操
埼玉県のデイサービスで介護職員として体操等を実施している会田浩司氏による体操。フラワーアレンジメントのプログラムに繋げる形で、指先を動かす体操を重点的に実施。脳活性化のための内容も織り交ぜ、楽しみながら参加できるプログラム構成であった。
2)認知症講和
認知症対応デイサービスの管理者で、認知症に関する執筆活動も行っている、高荷一良氏による講和。著書である『サンタ村の楽しい認知症の人たち』のエピソードを交えながら、認知症に関する理解を深め、日常生活で心がけるポイントなどがわかりやすく話された。配布資料のほか、『サンタ村の楽しい認知症の人たち』の書籍を2冊くらら様に寄贈。
3)フラワーアレンジメント教室
利用者さん同士の交流を深めながら取り組めるよう、2人1組でアレンジメントを作っていく形とした。新聞やハサミなどの準備品はすべてくららのスタッフ様が事前に行ってくれたことで、スムーズに実施できた。花を挿す際のポイントや花の名称についての説明を、福島和彦氏・丸田浩子氏の2名で行ったあと、それぞれの感性で自由にアレンジメントを楽しんだ。生の綺麗なお花を前に「ずっとこのお花を抱っこしていたい」といって喜ばれる利用者さん、「久しぶりにこんなに綺麗なお花を見た、とても幸せ」、「何も考えず集中してできた、リフレッシュできた」などの声が聞かれた。
●今後の課題
今回のような単発の行事だけでなく、地震により人材が不足している場所に、数週間単位で有資格者の人材を派遣するような取り組みを検討していく必要がある。また、住民同士や施設同士が繋がれるような仕組みの構築を行うことも、復興過程を歩んでいく上では必要であり、我々外部からの支援者に求められる役割であると考える。