今回は、いつもお世話になっている介護老人保健施設、飯能ケアセンター楠苑の「石楠花の会」様の会報についてご紹介させていただきます。石楠花の会の活動には、当法人の滝谷淳子顧問も、中心メンバーとして活動や会報の作成等に参画しており、私たちNPOの中核メンバーが本業としている社会福祉事業との共通点もあり、様々な面でご協力を賜っております。
【石楠花の会とは】
石楠花の会は、齋藤八重子様(飯能ケアセンター楠苑 事務長) が代表となり、テーマを決めながら、施設のご利用者さんやスタッフさんの声をヒアリングし、生きてこられた人生や、想い・考えなどを丁寧に文字におこし「手作りの冊子」としてまとめあげて、広く地域社会に声をお届けするという、とても素敵な活動をしていらっしゃる会です。
齋藤様は、長年にわたり地域福祉や老人保健福祉活動の推進に顕著な功績があった方ということで、令和2年度には「厚生労働大臣賞」を受賞されたお方です。今回ご紹介せていただく「今しかない」の冊子の中でも、齋藤様のお言葉は度々登場しますが、人生経験だけでなく、人と人との接点を温かい「感謝の心」で結び、輪を広げ続けてこられたからこその、言葉の重みや、温かさをいつも感じ、私自身勇気や、明日への一歩に向けた活力をいただいております。
【冊子「いましかない」~お母さん~】
石楠花の会では、2020年5月に「今しかない(創刊号)」を発行して以来、これまでに第4号にわたる冊子を発行。今回は第5号となる「今しかない(お母さん)」が発行となりました。
冊子の冒頭には、齋藤様のご挨拶が書かれ「若いときの苦労は買ってでもしなさい。どんな経験も無駄な経験というものはない。」というメッセージとともに、人生は考え方次第であり、何事も前向きにとらえて生きがいを持つことの大切さや、「感謝の心」を忘れないことの大切さが書かれております。齋藤様のこれまでの並々ならぬ努力や、明るく前向きな人生観・多くの方々から親しみを持って感謝され続けてきておられる様子が目に浮かぶようでした。
本文には、それぞれの方の母との想い出や心の内が書かれており、母のありがたさ、親のありがたさを改めて感じることができる内容となっております。また、心に響く本文の最後には「子どもは、立派な大人だよ!」の言葉が書かれ、子育て中の私にとって、とても奥深く、日々の生活を今一度考えなおすメッセージをいただいた気がします。
また、ページの随所には、美しい「挿し絵」が描かれ、温かいまごころのこもった「筆文字」により、寄稿された皆様の人生が、生き方が情景として、よりリアルに思い浮かび、読んだ人の心には、切なさや温かさ、そして勇気をもらえるような、そんな印象の素敵な「手作り冊子」です!
【子どもの情操教育にとっても最高の宝物(冊子)】
デジタル化が進み、今の子どもたちはスマートフォン等を通じて、情報や知識を簡単に入手できる社会になりました。しかしながら、生きていく上で大切な要素となるのは、知識だけでなく、実体験に基づく「知恵」であると考えます。昨今の、急速な少子高齢化や核家族化の進展・新型コロナ等の影響により、子どもたちは知恵の宝庫である、おじいちゃんやおばあちゃんと接する機会が減少しています。
この冊子は、戦後の厳しい時代を並々ならぬご苦労の中で生き、現在の平和な日本社会を創ってこられた、先輩方の実体験に基づく考えや想いがたくさん詰まった「宝物」です。わが子も、お母さんの冊子を読み「元気だったお母さんをガンで亡くし、普通の日常がどれほど幸せか気づいた」という文を読んで、ひとり涙を流しておりました。自分自身の未来や、数年前私の母がガンで闘病生活の末に亡くなった際に、最後まで寄り添ってくれていたりしたので、様々な思いが重なりあい、心に響いていたようです。子どもたちの情操教育にとってもとても良い冊子だと感じます!
【おわりに】
「今しかない」を拝読させていただき、お一人おひとりの人生に、とことん丁寧に向き合うこと、「感謝の絆」で結ばれた温かい輪を広げ、地域や社会を明るく活力あるものにしていこうとされている活動に、心から感銘を受けました。私自身も改めて感謝の心と、未来を紡ぐ子どもたちへの視点を見つめ直し、今を大切に生きていこうと感じた次第でございます。
石楠花の会の皆さま・飯能ケアセンター楠苑のご関係者の皆様・そして冊子の編集に関わっておられる皆様方に、改めて感謝するとともに、皆様のご健康と、会の更なるご発展をお祈り申し上げます。
手作りでこれほどまでの冊子を継続的に製作されるのは、とても大変だと思いますが、次号 第6号の発行を、今から楽しみにしております!
宮園
特定非営利活動法人 小さな一歩
役員一同
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