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  • 執筆者の写真一歩 小さな

【令和6年能登半島地震】東京都災害派遣福祉チーム(DWAT)として輪島市で避難所の支援活動に従事しました

更新日:3月26日

 令和6年3月4日(月)~3月9日(土)までの6日間、当法人の宮園が都から派遣された4名の福祉専門職とともに「東京都災害派遣福祉チーム(DWAT)」として、都派遣の第2クールにて、能登半島地震の被災地「石川県輪島市の避難所」での救援活動に従事させていただきました。

 現地での活動概要としては、避難所内での要援護者等のニーズ調査・ラウンド実施・健康観察・他団体との調整(JMAT・JRAT・Jハート・対口支援自治体など)・他団体及び自治体との連携による避難所内の要援護者の福祉用具等の支給調整・他団体との連携による避難所内の一斉アセスメントの実施・避難者を対象とした体操の実施・避難所内のマップ作製と要援護者等のマッピング実施・石川県DWATや他県DWATとのZOOM会議への一部参加・避難所内の各団体が集まる会議への一部参加などを担当いたしました。避難所内の一斉アセスメントでは、医師・薬剤師・看護師・作業療法士・理学療法士など多様な専門職とともにアセスメントシートを使用して避難者の方々のアセスメントを実施し、長引く避難生活により血圧が上昇傾向にある方や、エコノミークラス症候群により血栓ができた方のフォロー、自閉症の子ども、PTSDを抱えている方、認知症の方、うつ病を発症してしまった方、外国人の方など、様々な要因で援護を必要とする方々が避難していることが確認され、その後の円滑な支援に向けた土台作りに取り組みました。輪島市では甚大な被害が発生しており、住む場所や仕事を失ってしまわれた方も非常に多く、ご高齢な方が多いことも重なり、先の見通せない状況により、避難所でふさぎこんでいたり、途方にくれてしまわれている方も多くおりました。



2 「避難所内のマッピング」の実施

 我々が避難所での支援活動に入らせていただいた時点で、避難所内で全くアセスメントが行き届いていないエリアがあり、見えない段ボールハウス内での孤独死などのリスク上昇への対応として、避難所内のマップ作成(援護を要する方がどこの段ボールハウスの中で生活しているかの把握と支援者間・輪島市・対口支援自治体との共有)が我々に課せられた大きな役割となりました。看護師の他団体・地域担当保健師様・DMATの医師・薬剤師・看護師に加え、JRATのセラピストの方々を含むメンバーで、状況がつかめていなかったエリアを含む避難所全体の一斉アセスメントを実施しました。また、避難所を管理する方々が今後も管理しやすい方法で、避難所全体のマップ作成をエクセルを活用して急遽行いました。マップの作成を通じて、誰がどこの段ボールハウスで生活しているかを把握し、見える化することができ、体調不良者が出た場合などにおいても迅速な対応が可能となり、チーム員と共に一定の成果を出すことができたと感じます。



3 要援護者の方々を主な対象とした「体操」の開始

 避難所では、対口支援自治体様が毎朝ホールでラジオ体操を流して下さっていましたが、参加者が減少傾向にありました。我々のクールでは、エコノミークラス症候群への対応や、フレイル(体力や認知機能が衰えて介護が必要な手前の状態に陥ること)の予防に向けて、チーム員による「健康体操」を新たに導入し、会話を通じた健康チェックや困りごとの確認を行いながら実施することができました。



4 乳幼児への対応

 避難所には、乳幼児も避難しており、母親が発熱してしまった際には、我々DWATチーム員で子どもの保育を行いました。子どもは友達と遊ぶこともできずに、避難所での生活を続けていたため、チーム員で保育を行い、子どもの視点で一緒に遊ぶ時間を作ることで、成長過程の中でも特に重要な乳幼児期、他者との交流を十分に持ちながら、少しでも情緒の安定が図られるようにと、関わらせていただきました。



以上、チーム員の皆さまを含め、多くの方のご理解・ご協力によりDWAT派遣員として、微力ながら被災された方の生活再建に向けたお手伝いをさせていただくことができました。様々な関係機関・専門職との「連携」と「繋ぐ」ということを意識した6日間。今後の災害ボランティアセンター等での復旧支援活動に従事する際おいても、これらのことを意識してニーズを把握し、適切に現地の災害VCなどの関係機関に繋いでいくような活動を展開してゆけたらと考えております。今後ともご支援・ご協力をよろしくお願い致します。


※避難されている方々のプライバシーに配慮して、派遣先の避難所での活動写真は控えております。



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